飲食店でいいお店・ダメなお店を見極めるポイント16選【第3弾】
第1弾では、お店に入ってから最初に注目すべきポイントを紹介しました。
第2弾では、料理に対する味以外の評価の仕方を紹介しました。
今回は、飲食店の見極めポイントの最終章になります。ここでは、主にサービス面についてのポイントを紹介します。
空いたお皿・グラスを下げるタイミング
テーブル上の空いたお皿やグラスを下げることを「バッシング」と言いますが、このバッシングのタイミングもお店の善し悪しが分かれるポイントです。
どれだけテーブル上が空いた食器で溢れていても、ほぼ放置状態でほとんど下げてくれないお店もあります。せっかくの食事に、テーブル上が散らかっているのはとても不快です。
ですから、バッシングはただの作業ではなく、お客さんが心地よく食事をして、会話を楽しんでもらうための重要な仕事なのです。
しかし、残念ながら、バッシングにそこまでの意味づけをして仕事をしている人は多くありません。ただ単に、「空いたら下げる」といったロボ作業のように行っていることがほとんどです。
バッシングの難しいところは、スタッフがあまり頻繁にテーブルに顔を出すと、場が悪かったり、会話を遮ってしまったりする可能性があることです。
ですから、空いたら何でもかんでも手当たり次第にバッシングすれば良いというものでもないのです。
だからこそ、スタッフの気遣いが試される場面でもあるのです。
程よいタイミングでサッと現れ、ついでにドリンクのお代わりを勧められたりしたら、完璧です。かといって頻繁に来ることもなく、テーブルが散らかることもなく。
こういったバッシングが望ましいです。
お代わりの案内の仕方
前項とも重なりますが、追加オーダーを伺うのは飲食店として当然です。売上が立つという意味もありますが、きちんと満足してもらうために商品をオススメするのは商売として必須です。
良く「セールス=押し売り」みたいに思ってしまう人もいます。そのため、商品を勧めないほうがお店としてはスマートと勘違いしてしまうのです。
しかし、セールスには主に以下のような意味合いがあります。
- 売上を立てる
- お客さんの欲求を満たす
- お客さんとのコミュニケーションを図る
などなど、双方にとってメリットがあることなのです。
そもそも、お代わりなどを勧められて、必要なければ断れば良いだけの話ですし、お店として抵抗を感じる必要はありません。
このような点から、きちんとセールスをしない飲食店というのは、これまた素人じみていると言わざるを得ません。
つまり、きちんとお代わりを勧めてきたり、オススメの商品をセールスしてくれるとお店はプラスに評価するべきです。
ゲストへの目配り
飲食店のサービスでは、お客さんへの目配りが欠かせません。全てのテーブルを一人のスタッフが専門で担当するわけではないので、だからこそ遠目でも気を配り、常に状況を把握する必要があるのです。
ただ残念ながら、それができていない飲食店は少なくありません。お客さんに呼ばれた後に反応する、ボタンで呼ばれた後に伺う、といったようにサービスが全て後手になってしまっている状態です。
一見、お客さんにとって特に不都合はないように思えますが、そのようなお店がマックスで忙しくなったときを想定してみてください。
全てが後手になるサービスなので、当然、提供も遅れが生じます。受動的なサービスというのは全て起こってからの反応になるので、忙しさに対応しきれないのが最大の欠点です。
しかし、きっちり目配りができている飲食店は、ある程度先を見越してサービスを進めるため、マックスで忙しくなっても大きく崩れることはありません。
むしろ、スタッフ全体が勢いづき、お店の雰囲気は一層良くなります。
バッシングの内容と少し重なりますが、一番顕著に表れるのは、やはりバッシングのタイミングではないでしょうか。
きちんと目配りをして全体を把握できている飲食店は、テーブル上の空いた食器が放置されず、適度なタイミングでバッシングしてくれます。
陳列されたボトル
もっと分かりやすいポイントは、ボトルの陳列を見ることです。
和食だったら日本酒や焼酎の一升瓶が、養殖ならワインのボトルがディスプレイとして陳列されている場合があります。
お店としては、どのようなお酒を扱っているのかアピールするためなのですが、それがきちんと並んでいるか注目してみてください。
中には、良く見ると、ホコリまみれの空きボトルが並んでいたり、ラベルが正面を向いていなかったりするケースも意外と多いです。
たとえば、バーなどに行くと顕著に表れるポイントです。
きちんとしたサービスを提供してくれるお店は、全部ボトルの向きがきっちり正面を向いています。しかし、そうでないところは、ボトルがあっちを向いたりこっちをむいたりと、バラバラに陳列されています。
「そんな細かなところまで?」と思うかもしれませんが、ここが意外なほどお店の良し悪しを分けるポイントになります。単純に、作業の「丁寧さ」に通じるからです。
きちんとボトルが揃っているお店は、料理も道具も丁寧に扱い、お客さんに対しても丁寧です。
一方、ボトルの向きがバラバラなお店は、その雑さが随所に出てしまうものです。
そういった観点で、一度ボトルの並び方に注目してほしいと思います。
会計の手際
最後に、会計の手際にもポイントがあります。
会計をテーブルで行うところとレジで行うところは分かれますが、たとえば領収書をもらうときを想定してみましょう。
会計に慣れているスタッフは、領収書の発行を急に頼まれてもスムーズに対応します。
しかし、レジに不慣れなスタッフをレジに置いているようなお店ですと、発行に手間取り、会計にとても時間がかかってしまいます。
何気ないポイントですが、どのようなスタッフが会計を行うかが、そのお店の「格」を左右するポイントになるのです。
商売を成立させる、最後の要となるポイントですから、「ただお金を貰えばいい」と考えているお店は、決して質が高いとは言えません。
何度も言いますが、これはお店が高級だとか安いといった問題ではありません。お客さんに対する心意気の問題です。
だからこそ、大きな違いが生じるのです。
まとめ
最後になりましたが、1〜3弾に続いて「飲食店の良し悪しを見分けるポイント」について紹介してきました。
私も過去に、15年ほど飲食業界で勤めていました。その中で様々なタイプのお店で働きましたし、もちろん付き合いや勉強などで良く外食する機会もありました。
そんな経験から、偉そうに「見極めポイント」というタイトルで、つらつらと書いてきたわけです。
繁華街などでは飲食店が増え続けるなか、価格競争などからお店としての質は低下する一方です。
しかし、それは仕方ないといって、まあまあな満足感で良しとするのはもったいないです。なぜなら、そんな中でも、きちんと誠実に運営している飲食店もあるからです。
大人であれば、さまざまな機会で外食することがあるはずです。
そんなときに、お店選びでガッカリしないよう、「素敵な飲食店」をしっかり見極めてほしいと思います。